「グ~~~......」
腹の虫が昼の訪れを告げる
時刻は12時7分、今は昼休みだ。
「...飯、食い行くか」
会社の最寄り駅をぶらつき、うまそうな飯屋を探す。
「牛丼屋~...は満席だな」パス。
「マック...いやめちゃくちゃ並んでんな!」別にそこまでして食いたくはない。
「いきなりステーキは客いないだr...満席だわ」どうなってんだ...
やはりお昼時、みな考えることは一緒なのである。
普段ならカップ麺やコンビニ弁当でも良いのだが、どうやら今日はそれじゃダメらしい
「グ~~~...」
腹の虫が催促するように鳴く。
わかったわかった、もうちょっと待っとけ
それでも見つからないものは見つからない、恐らく10分近くはさまよっているだろう。
当てもないので、飲み屋街に行く。
ここは常に煙いし、変なにおいがするからあまり来たくはなかった。
しかしここで、興味を引く店を見つける。
”オムライス専門店”
ほう、オムライスか...ありだな。
「グ~」
まるで賛同するかのように腹の虫も鳴く。
よし、ここにしよう。
焼肉屋の上に店を構えているらしい、並んでいる客が邪魔だ。
焼肉屋のすぐ横にあるむき出しの鉄階段を登る
思ったより急な階段をゆっくり登り、店の扉を開ける。
店内はほどほどに広く、内装はどことなくアメリカンな雰囲気があった。
BGMも少し古い洋楽がかかっている。
...どうやら店主は私と少し趣味が合うようだ、気に入った。
店員に一人であることを告げ、席に着く。
私のほかに客はいないようだ...すこし不安だ。
昼時に客が少ない店はハズレ率が高い...
テーブルにはQRコードが貼られていた。
...なんだこれは、公式LINEか何かか?
店員がお冷を持ってくると同時に、このQRコードの説明をしてくれた。
どうやらコイツを読み取るとメニューが表示され、そこから店員と言葉を交わすことなく注文ができるらしい。
このご時世にはピッタリじゃないか、さすが都会。
早速QRを読み取る、これがメニューか...さすがに専門店、オムライスしかない。
お~、卵のタイプを選べるのか。
私は半熟のトロっとしたほうを選ぶ、これ好き。
どうやらソースもデミグラスかケチャップかを選べるらしい。
デミグラスにしよう、ケチャップは酸味を感じるので少し苦手だ。
米の量まで選べるのか、カスタムの幅が広いな。
え~と、200gから600gまで選べて、値段がそれぞれ...変わらない!?マジでか!?
三倍違うのに変わらないのか...こんなの600g一択じゃないか。
トッピングも種類が豊富だ。
今回はカニクリームコロッケを乗せることにした、好きなので。
これで終了、飲み物を頼むこともできたが水だけで十分だ。
「注文、と」
程なくしてオムライスが運ばれてきた、結構早いな。
...自分で頼んでおいてなんだが、600gは結構"圧"があるな。
食いきれるのか少々不安だ。
ただ、それ以上にこの...香りがやばすぎる!
あまりに最高だ...圧を押しのけて空腹が襲い来る!!!
あぁ~~~食わせろ!!!!!
「いただきます!」
スプーンで卵を切り、チキンライスとデミグラスを掬う。
小さなオムライスをスプーンの上に作り、口に運ぶ...
...ん?あら、俺オムライス食ったっけか?
ちょっともう一口...
あうっっっっっっっっっま
やっべこれうますぎ
やばいわ、これさては一口目記憶飛んでるわ
あまりにもうまい...やばいわ
これ無限に食えるぞ...
夢中でかきこむ、あぁ毎回最高にうまいわこれヤバイっす
程よい味付けのチキンライスに、濃すぎるくらいのデミグラスを絡め、それをトロトロの卵が包み込む...
完璧なバランスだ、最高すぎる...
あぁ...夢中になって食べてしまった、最高やで。
おや、カニクリームコロッケを忘れてた。
オムライスの邪魔だからどけてたわ、食うか。
いやこいつもうめぇな!!!やたらうまいぞこの店!!!
なんでこんな1トッピングがうめぇんだよ、ビビるわ...
10分かからずたいらげた。
これは最高だ、あまりにもうますぎる。
さて、長居するのも悪いしそろそろ出るか...
どうやら会計は、料理と一緒についてきたレシートのバーコードを読み取るとできるらしい、ここもセルフなんだな。
徹底してるな、素晴らしい。
いくらになるだろうか、1400円くらいでも全然満足なんだが...
《720円》
720円!?あのクオリティで!?!?
おいおい...
通います。
最高の昼だった、今日は頑張るかぁ!